ちゃぶ台

えんぞうです。書いた小説など

U・屠蘇・バッカスの姫

L…B…の漫画の上手さと某事件で打ちのめされたときの感情が悪い化学反応を起こしたり、めちゃくちゃ好きなアニメータにブロックされててすげえ落ち込んだりしながら就寝、嘘みたいにいい寝覚めで迎えた月曜日。アルコール燃料をチビチビ入れながらほとんどの時間をかぐコン2原稿に費やした。月曜零時時点で進捗は0 %で、いやさすがに焦りました。

virtualgorillaplus.com

どういう話にするかは練っていたけど本文が真っ白、書き溜めていたパーツも全ボツだったときは絶望しましたが、最大4000字の掌編だったということが幸いしてなんとか書きあがりました。例のごとく推敲は十分でないので「大事な機会を奪いやがって」と怒られ、しょっ引かれてしまう可能性があります。

ここで自白するバカがよ。

 

書いた内容はルール上書けないので前回書いたやつを貼ります。

嬉しいことに選外佳作として紹介いただけた作品で、自慢の子です。2の話もこんな感じだったりこんな感じじゃなかったりします。

 

o-zo.hatenablog.com

 

竜そばを観にいきましたので感想を書きます。ネタバレ有です。

あんまりいい映画ではなかったですが、期待していた部分は90点くらいあったので総じて満足です。

私が期待していたのは次の三つでした。

1.背景美術、ひいては『U』世界の描写

2.曲

3.空飛ぶクジラ

 

1について。

PVで分かっていたことでしたが、背景美術はかなりいい。『U』世界 田舎の学校の閉塞感 SNS専用のデカいモニタを置いたデカい部屋。わざわざ大きなスクリーンで観る甲斐はあったかな、と思います。

ただ、『U』世界パートが映像的にあんまり面白くないのが残念でした。ゲーム画面だからゲーム的に、というのはそうかなと思うのですが、良かったと思えたのはベルが人魚たちに城へと誘われたシーンだけで、終盤のキメキメ歌唱パートでもあんまり気持ちが乗らなかったな……というのは惜しい部分です。これはシナリオの問題もあるでしょうが……。

画面的には現実パートの方が断然面白くて、ならこっちのほう増やせばいいのになと思っちゃいました。美女と野獣をやりたいという話でしたが、この要素ない方がよかったのではとすら感じています。

 

2について。

自分の中で「曲が良かったのでこの映画もまあ100点でしょう」みたいな感じになっています。

特に好きなのは『U』と『歌よ』です。冒頭ワクワクしたね……

でもラスト、「(この話を締めるのは)あの曲しかない」といって鈴(中村佳穂)の歌う『はなればなれの君へ』のEDに入るのですが、このしっとりとした曲調が本当にこの映画の締めとしてふさわしいのかは少し疑問でした。メドレーでよかったのでは?

 

3について。

デカくてしかもたくさんスピーカー担いでて良かった~途中作画のクジラも入ってたけどあのゆったりとした尾の振り方がいいですね。歌で竜を探すベルとクジラの反響定位がつながってたのも好ポイント。ていうかもっと出してくれ。

 

惜しかったところについて。

まずは先も挙げた『U』世界の描写がそこまで魅力的でないこと。これは竜とのロマンスに割き過ぎかなというのと、悪のインターネットを描くぞという気持ちが強すぎてフラットに『U』を考えられていないところがあったかなと思います。強い背景美術だけで引っ張っていくという描き方ではさすがに通用せず、ただ単に小物というだけではない、より奥行きのある世界を観たかった……

あとはシナリオです。

鈴の心情を追うのが結構難しいと感じて、というのも現実パートではほとんど思春期の恋愛を描いているので『U』でのベルの竜に対する母性が見えにくいんですよね。

もちろんこれは意図的にそうしており、終盤の歌唱パートで「顔も知らない竜を気に掛けるベル」と「他の子を命がけで救助する母」が重なった時に分かるようになっているのですが、その後も恋愛の話をしたりするので結局何なんだよとモヤモヤしてしまいました。

このシナリオで動いているキャラクターたちの言動にも疑問を覚えることが多かったです。鈴を一人向かわせる大人たちがやんややんやと言われていますが、一番気になったのはしのぶくんでした。彼については鈴の幼馴染であり、イケメンであるという以上の描写がされることがなく、終盤鈴の後方から「SNSで顔を出して歌うしかない」と残酷なことをいうものだから、なんだコイツ以外に思うことがない。しかもラストで「守る役目が終わったので肩の荷が下りた、心置きなく鈴と付き合える」と言い出すのも気持ちが悪く、その気持ち悪さを抱えたままEDに突入するので後味がよくありません。

「(この映画の締めくくりには)あの曲しかないでしょ」

「あいたい はなればなれの君へ~♪」

 一体誰目線の曲なんでしょうか。私は曲を読み解くのが苦手なのでなぜこれが締めくくりにふさわしいのかまったくわかりませんでした。いや、一曲選べというならこれでしょうけど……。

 

以上、竜そばの雑感でした。

期待通り楽しめたし、予想通り合わなかったという映画で、不思議な感じです。いやそんな不思議でもないです。

 

 

酒飲んでアニメ見て感情全部消して寝る。ブロックされたのが本当に辛いので。

 

(終)

 

竜そばを見ながらインターネットを通じて誰かを救うという話で最近特によかった『ブルーリフレクション/澪』の第五話を思い出しました。

竜そば顔の見えないインターネットで人を救うのは個人と個人の想い!という結論だった気がしますが、それだったら普通にブルリフ五話の方がいいなと思いました。竜そばを観た方は是非ブルリフ澪(3~5話)を観てください。

ほんとに、(終)