ちゃぶ台

えんぞうです。書いた小説など

ハッピーバースデイ反重連!

ハッピーバースデイ!反‐重力連合!

 

ということで創刊号を無事手に入れることが出来、ぺろっと読んだので記念(?)に感想を残しておきたいと思います。こういう形にするつもりはなかったんですが、Twitterに流すと書いた人の目に入っちゃって恥ずかしいのでここで。書かなきゃいいじゃん。それはそうなんですが……。

 

booth.pm

読んでね~~

 

 

 

 

・『灰の園』脊戸融

設定の説明で読ませるのがすげえ~と思いつつ、読んでる最中は本来ならもっと長かったのかなとも思ったりした。読み終わってみるとちょうどいいサイズ感だったようにも思えたので人の(というか俺の)感性って信用ならない。機械の機能や製造目的ってそれ自体がストーリーたりうるといえばそうだし、そこに自律機械の心が伴うと設定説明に血も通う。酉島伝法っぽい挿絵もカッコいい。

 

・『箱たちと彼』赤草露瀬

深夜特急っぽい文体で箱のいる世界を主観的に書いており、その下段、注釈によりデータも交えた事実を読ませることで本文の視点の偏りが明らかになって面白い。そもそも箱に人の手足を生やすっていう設定が笑える。箱の家族を想像してるとこの下で「確認されてない」「存在しない」「存在しない」を並べて偏見を指してるところが特に好き。なんで箱が、こんなことをするんだ!

 

・『堕ちていく天国』庭幸千

少女のみで構成された世界と少女原子転換炉、本アンソロのなかでも最強の組み合わせかと思うほどの無敵感。ビジュアルがめっちゃかっこよさそうなのでアニメとか漫画で見ると最高そう。ユオが登っていくことで天国が堕とされていくっていうのも綺麗。BLAME?

 BLAMEだった。

 

・『ボーンズ、オートマティック』巨大建造

文字を骨に見立てていて、本文自体が骨(文字)でできた作品世界となるのがいい。文字そのものの形から得られる視覚的な情報。モチーフ、というか個々の文字、「骨」「墓」「。(句点)」「月」などが強固に結びついて巨大なイメージが組み立てられる感覚があり、かっちょいいね~。
タウタにぼきぼきに折られちゃったクラスメイトのいじめっ子たちが面白くて好き。

 

・『交差点』xcloche

オモシロ話が語り手の今の状況に交差する…という構成。各章が一点で交わるオチが気持ちいい。ふたつめ、目の退化した地底人部族の地下闘技のお話はサクッとミステリ仕立てになっていて単体で満足感がある。フィクションを光に正気を保とうとする語り手にちょっとホロっと来たりもした。

 

以上、二号も楽しみです。